令和3年 国民年金 第9問 障害遺族など併給のルールなど

国年

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 R3 問9

併給調整に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 障害等級 2 級の障害基礎年金の受給権者が、その障害の状態が軽減し障害等級に該当しなくなったことにより障害基礎年金が支給停止となっている期間中に、更に別の傷病により障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金を支給し、従前の障害基礎年金の受給権は消滅する。

B 旧国民年金法による障害年金の受給権者には、第 2 号被保険者の配偶者がいたが、当該受給権者が 66 歳の時に当該配偶者が死亡したことにより、当該受給権者に遺族厚生年金の受給権が発生した。この場合、当該受給権者は旧国民年金法による障害年金と遺族厚生年金の両方を受給できる。

C 老齢厚生年金と老齢基礎年金を受給中の 67 歳の厚生年金保険の被保険者が、障害等級 2 級の障害厚生年金の受給権者(障害基礎年金の受給権は発生しない。)となった。老齢厚生年金の額より障害厚生年金の額の方が高い場合、この者は、障害厚生年金と老齢基礎年金の両方を受給できる。

D 父が死亡したことにより遺族基礎年金を受給中である 10 歳の子は、同居中の厚生年金保険の被保険者である 66 歳の祖父が死亡したことにより遺族厚生年金の受給権を取得した。この場合、遺族基礎年金と遺族厚生年金のどちらかを選択することとなる。

E 第 1 号被保険者として 30 年間保険料を納付していた者が、就職し厚生年金保険の被保険者期間中に死亡したため、遺族である妻は、遺族厚生年金、寡婦年金、死亡一時金の受給権を有することになった。この場合、当該妻は、遺族厚生年金と寡婦年金のどちらかを選択することとなり、寡婦年金を選択した場合は、死亡一時金は支給されないが、遺族厚生年金を選択した場合は、死亡一時金は支給される。

 一肢ごとの詳しい解説 

併給調整に関する正誤問題、基準と例外の正確な判断が必要、比較的簡単なところは確実に◯をつけて、絞り込みたいところです。

A 障害等級 2 級障害基礎年金の受給権者が、その障害の状態が軽減し障害等級に該当しなくなったことにより障害基礎年金が支給停止となっている期間中に、更に別の傷病により障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金を支給し、従前の障害基礎年金の受給権は消滅する。 ◯

支給停止中でも、かつて2級以上、そして別の傷病で併合はあります。

お決まりの文句である従前の受給権が消滅もその通り、支給停止中てどうなるっけ?と模様かも知れませんが、比較的簡単な方の選択肢と言えそうです。

B 旧国民年金法による障害年金の受給権者には、第 2 号被保険者の配偶者がいたが、当該受給権者が 66 歳の時に当該配偶者が死亡したことにより、当該受給権者に遺族厚生年金の受給権が発生した。この場合、当該受給権者は旧国民年金法による障害年金と遺族厚生年金の両方を受給できる。 ◯

よくわからない、旧国民年金…「旧国民年金法による障害年金」と「遺族厚生年金」の両方を受給できるか問題です。

65歳以上で、遺族厚生年金というフレーズ、併給的な面では障害基礎年金とイケるな…と思っておいて、マルよりの△ってところで、絞りきれないのであれば保留で他の選択肢でバツを探しましょう。

C 老齢厚生年金老齢基礎年金を受給中の 67 歳の厚生年金保険の被保険者が、障害等級 2 級の障害厚生年金の受給権者(障害基礎年金の受給権は発生しない。)となった。老齢厚生年金の額より障害厚生年金の額の方が高い場合、この者は、障害厚生年金と老齢基礎年金の両方を受給できる。 ☓

2階建ての年金の併給パターンを思い出しましょう。

老齢基礎年金と障害厚生年金は、年齢及び額に関わらず、併給されません。

受給検者不利にならないように額が多ければ併給とかもあるのか??と錯誤を狙った感じの問題です。

D 父が死亡したことにより遺族基礎年金を受給中である 10 歳の子は、同居中の厚生年金保険の被保険者である 66 歳の祖父が死亡したことにより遺族厚生年金の受給権を取得した。この場合、遺族基礎年金と遺族厚生年金のどちらかを選択することとなる。 ◯

珍しい論点の問題でしょうか。

父の遺族基礎と、祖父の遺族厚生年金、2階建ての併給が可能なのかしら??といった錯誤を狙った問題ですね。

遺族年金で、厚生と基礎、両方をもらえるのは同一の事由となりますね。

別々の場合には、受給権者を軸にもらえるものから、選択して受給していきます。

E 第 1 号被保険者として 30 年間保険料を納付していた者が、就職し厚生年金保険の被保険者期間中に死亡したため、遺族である妻は、遺族厚生年金、寡婦年金、死亡一時金の受給権を有することになった。この場合、当該妻は、遺族厚生年金と寡婦年金のどちらかを選択することとなり、寡婦年金を選択した場合は、死亡一時金は支給されないが、遺族厚生年金を選択した場合は、死亡一時金は支給される。 ◯

基礎年金部分にかかる、寡婦年金・死亡一時金と、厚生年金との支給調整のパターンについて総合問題とも言えます。

  • 遺族厚生年金と寡婦年金 → 併給不可(選択)
  • 死亡一時金と寡婦年金 → 併給不可(選択)
  • 死亡一時金と遺族厚生年金 → 併給

死亡一時金の支給を受ける者が、寡婦年金を受けることができるときは、どちらを支給するかを選ぶことになりますね。

遺族厚生年金を受けることができて、寡婦年金か死亡一時金を選べるのであれば、遺族厚生年金と死亡一時金を受給するのが一番ワリが良さそうですね。

どれが一番オトクか、併給が可能かどうかを覚えておくと、一般常識的にも役に立つし、アドバイザーとしても必要な基礎知識的なものでもあります。

年金事務所や区役所の窓口でも教えてくれたりはしますが、人によるし、どこまで詳しいかはかなり蔵人生があったりするので、法律の専門家たる社労士ならしっかりと覚えておきましょう。

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