令和3年 健康保険 第9問・被扶養者・継続給付など

健保

※アフィリエイト広告・プロモーションを利用しています


R3 問9 被扶養者・継続給付など

健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 家族出産育児一時金は、被保険者の被扶養者である配偶者が出産した場合にのみ支給され、被保険者の被扶養者である子が出産した場合には支給されない。

B  1 年以上の継続した被保険者期間(任意継続被保険者であった期間、特例退職被保険者であった期間及び共済組合の組合員であった期間を除く。)を有する者であって、出産予定日から起算して 40 日前の日に退職した者が、退職日において通常勤務していた場合、退職日の翌日から被保険者として受けることができるはずであった期間、資格喪失後の出産手当金を受けることができる。

C 傷病手当金の額は、これまでの被保険者期間にかかわらず、 1 日につき、傷病手当金の支給を始める日の属する年度の前年度の 9 月 30 日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額(被保険者が現に属する保険者等により定められたものに限る。)を平均した額の 30 分の 1 に相当する額の 3 分の 2 に相当する金額となる。

D 傷病手当金の支給要件に係る療養は、一般の被保険者の場合、保険医から療養の給付を受けることを要件としており、自費診療による療養は該当しない。

E 被保険者又はその被扶養者において、業務災害(労災保険法第 7 条第 1項第 1 号に規定する、労働者の業務上の負傷、疾病等をいう。)と疑われる事例で健康保険の被保険者証を使用した場合、保険者は、被保険者又はその被扶養者に対して、まずは労災保険法に基づく保険給付の請求を促し、健康保険法に基づく保険給付を留保することができる。

E

一肢ごとの詳しい解説

解釈が難しい感じに文章を作る、社労士試験の問題作成の常套手段ですね。過去に出題がないゾーンの論点をかすめるのがね、いやらしいわよね。

A 家族出産育児一時金は、被保険者の被扶養者である配偶者が出産した場合にのみ支給され、被保険者の被扶養者である子が出産した場合には支給されない。 ×

これ、出題の論点がなんだかいやらしい感じがして、イヤよね。被扶養者の出産で出るのであって、それは配偶者:要するに妻の出産に限られずってことです。ただ、一般的なイメージとして、被扶養者の子:要するに娘が、父の扶養に入ったまま出産するってどういうシチュエーション?という中々な設定なんですよね。設定無理くりすれば、被扶養者である母(被保険者が20台で母が40~50代とか超高齢出産になるよね?)が出産した、とかでも理論上は出るって事になります。

深読みすると、本来なら子の夫の扶養、又は国保になるんじゃないの?ってのが想像できるところですが、そうならないってことは、認知されない未婚の妊婦ってあたりで、実家の扶養のまま、又は実家に戻ったりして父の扶養に入り出産を迎えるってことです。問題の設定がなんだかレアケースの状況なんで、そんなことあるー?って迷った方もいたかもしれませんね。

B  1 年以上の継続した被保険者期間(任意継続被保険者であった期間、特例退職被保険者であった期間及び共済組合の組合員であった期間を除く。)を有する者であって、出産予定日から起算して 40 日前の日に退職した者が、退職日において通常勤務していた場合退職日の翌日から被保険者として受けることができるはずであった期間、資格喪失後の出産手当金を受けることができる。 ×

この問題の論点としては、資格喪失後の出産手当金の継続給付についてであり、これ、通常勤務していて、在職中に休業申請して出産手当金をもらってから、退職すれば、資格喪失後の出産手当金をもらえたってパターンです。 なぜ、継続勤務しちまって、そしてそのまま退職してしまったのか…もし、会社でこういう事案が起こったとしたら、アドバイスできるレベルの総務がいないってことだし、退職した労働者も情報収集不足なのではないか?となります。被保険者が勢いで辞めちまった可能性が高く、残念なもらえない事例からは、どうしたら労働者に有利になるか、円満だったかを想像しながら覚えていきたいものです。

C 傷病手当金の額は、これまでの被保険者期間にかかわらず、 1 日につき、傷病手当金の支給を始める日の属する年度の前年度の 9 月 30 日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額(被保険者が現に属する保険者等により定められたものに限る。)を平均した額の 30 分の 1 に相当する額の 3 分の 2 に相当する金額となる。 ×

被保険者期間によって、計算方法が変わります。支給額の計算の前提を理解していれば、読み始めてすぐに誤りと判断できたでしょう。

基本は、 支給開始日の属する月以前の直近の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額の平均した額の30分の1相当額の3分の2に相当する額です。

12ヶ月に満たない場合の例外的な計算方法として、直近の各月の平均で出すパターンと、

今回の出題にあった 前年度の 9 月 30 日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額 を用いる2パターンがあり、

どちらかのいずれかの少ない額を用いることになっています。

なんだか周辺知識も思い出せてお得な問題だったようにも思えます。

D 傷病手当金の支給要件に係る療養は、一般の被保険者の場合、保険医から療養の給付を受けることを要件としており、自費診療による療養は該当しない。 ×

療養給付などを受けられるような傷病であれば自費かどうかは問われないで傷病手当金が出ることになります。

E 被保険者又はその被扶養者において、業務災害(労災保険法第 7 条第 1項第 1 号に規定する、労働者の業務上の負傷、疾病等をいう。)と疑われる事例で健康保険の被保険者証を使用した場合、保険者は、被保険者又はその被扶養者に対して、まずは労災保険法に基づく保険給付の請求を促し、健康保険法に基づく保険給付を留保することができる。 ○

この設問、保険給付を留保することができる、とか問題文の書き方でテキストと表現が違うなどで選択を躊躇した方もいるかもしれませんね。

単純に解釈すれば、労災を優先して健康保険の方がやや後回しですよってことですね。

まどろっこしく、そして、解りにくい言い回しで正誤の判断を鈍らせる出題、苦戦したかもしれません。

基本事項で設問を絞り込めるようにしてきましょう。

スポンサードリンク<sponsored link>
フルカラーテキストの社労士講座

コメント

タイトルとURLをコピーしました