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R3 問9
厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A 昭和 35 年 4 月 10 日生まれの女性は、第 1 号厚生年金被保険者として 5年、第 2 号厚生年金被保険者として 35 年加入してきた(これらの期間以外被保険者期間は有していないものとする。)。当該女性は、62 歳から第 1号厚生年金被保険者期間としての報酬比例部分の特別支給の老齢厚生年金が支給され、64 歳からは、第 2 号厚生年金被保険者期間としての報酬比例部分の特別支給の老齢厚生年金についても支給される。
B 昭和 33 年 4 月 10 日生まれの男性は、第 1 号厚生年金被保険者として 4年、第 2 号厚生年金被保険者として 40 年加入してきた(これらの期間以外被保険者期間は有していないものとする。)。当該男性は、厚生年金保険の被保険者でなければ、63 歳から定額部分と報酬比例部分の特別支給の老齢厚生年金が支給される。
C ある日本国籍を有しない者について、最後に厚生年金保険の被保険者資格を喪失した日から起算して 2 年が経過しており、かつ、最後に国民年金の被保険者資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して 1 年が経過した。この時点で、この者が、厚生年金保険の被保険者期間を 6 か月以上有しており、かつ、障害厚生年金等の受給権を有したことがない場合、厚生年金保険法に定める脱退一時金の請求が可能である。
D 脱退一時金の額の計算における平均標準報酬額の算出に当たっては、被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額に再評価率を乗じることはない。
E 昭和 28 年 4 月 10 日生まれの女性は、65 歳から老齢基礎年金を受給し、老齢厚生年金は繰下げし 70 歳から受給する予定でいたが、配偶者が死亡したことにより、女性が 68 歳の時に遺族厚生年金の受給権を取得した。この場合、68 歳で老齢厚生年金の繰下げの申出をせずに、65 歳に老齢厚生年金を請求したものとして遡って老齢厚生年金を受給することができる。また、遺族厚生年金の受給権を取得してからは、その老齢厚生年金の年金額と遺族厚生年金の年金額を比較して遺族厚生年金の年金額が高ければ、その差額分を遺族厚生年金として受給することができる。
B
一肢ごとの詳しい解説
出ました、昭和28年~の報酬比例部分の特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢について。暗記するのもルール・法則性をを掴めればマルっと覚えたりできますね。書いて慣れる、見て慣れる、大事です。ここ最近は昭和28年以前の生年月日で問われることが少ないのですが、定額部分も支給される昭和28年4月1日以前の特例的な線年月日もついでに抑えておきましょう。
A 昭和 35 年 4 月 10 日生まれの女性は、第 1 号厚生年金被保険者として 5年、第 2 号厚生年金被保険者として 35 年加入してきた(これらの期間以外被保険者期間は有していないものとする。)。当該女性は、62 歳から第 1号厚生年金被保険者期間としての報酬比例部分の特別支給の老齢厚生年金が支給され、64 歳からは、第 2 号厚生年金被保険者期間としての報酬比例部分の特別支給の老齢厚生年金についても支給される。 ○
女子 1号被保険者(男子はマイナス5年 28年4月2日から~に読み替えです)
昭和33年4月2日から昭和35年4月1日までの間に生まれた者 61歳
昭和35年4月2日から昭和37年4月1日までの間に生まれた者 62歳 まずコレが○
昭和37年4月2日から昭和39年4月1日までの間に生まれた者 63歳
昭和39年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた者 64歳
男女同じで 第2号・第3号・第4号被保険者期間を有する人
昭和28年4月2日から昭和30年4月1日までの間に生まれた者 61歳
昭和30年4月2日から昭和32年4月1日までの間に生まれた者 62歳
昭和32年4月2日から昭和34年4月1日までの間に生まれた者 63歳
昭和34年4月2日から昭和36年4月1日までの間に生まれた者 64歳 コレも○
よって、この型の生年月日的には1号、2号の被保険者期間に基づいた厚年特別支給がある、ということ。
ちなみに、昭和35年生まれは2022年・令和4年時点では62歳、試験年度令和3年では61歳で、この問題文としては、この方が年金事務所の窓口に来て年金手帳を確認して、「来年から一部もらえて、2024年・令和6年(64歳)からさらに追加でもらえますよ」 と説明できるかの実務上のスキルを問うている感じです。
まぁ、窓口にはそういった生年月日の方向けの早見表みたいなのあるから問題ないはずではあるけれども。
この年代の方、この女性が40年勤め上げたこと、そして国家公務員(2号被保険者)で35年ぶっ続けで働いたと思われるので(61歳時点で合計40年の被保険者期間を有するとか)、それも又スゴイな、とか思いを巡らせるのも良いですが、試験中はそこまで妄想しないように(笑)
B 昭和 33 年 4 月 10 日生まれの男性は、第 1 号厚生年金被保険者として 4年、第 2 号厚生年金被保険者として 40 年加入してきた(これらの期間以外被保険者期間は有していないものとする。)。当該男性は、厚生年金保険の被保険者でなければ、63 歳から定額部分と報酬比例部分の特別支給の老齢厚生年金が支給される。 ×
1号4年、2号40年、あっ…厚生年金長期加入の特例44年ルールかな!?と思った方も多いかも知れませんが、コレは合算はしません。
1つのところで44年、覚えておきましょう。
C ある日本国籍を有しない者について、最後に厚生年金保険の被保険者資格を喪失した日から起算して 2 年が経過しており、かつ、最後に国民年金の被保険者資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して 1 年が経過した。この時点で、この者が、厚生年金保険の被保険者期間を 6 か月以上有しており、かつ、障害厚生年金等の受給権を有したことがない場合、厚生年金保険法に定める脱退一時金の請求が可能である。 ○
頻度は高くないけどたまに出てくる脱退一時金について
厚生年金を喪失して2年が経過し、国民年金を喪失して1年が経過、3年くらい経ってる感じだけど、厚生年金の方は請求できるのかしら??と匂わせていますが、なんじゃかんじゃで、資格喪失から1年ってことですよね。
2年以内であればOKです。
D 脱退一時金の額の計算における平均標準報酬額の算出に当たっては、被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額に再評価率を乗じることはない。
また脱退一時金関連。続く時はつづきます。
再評価率を乗じるか… こちらに関しては、結論から言えば再評価率を乗じないのですが、捉え方としては、支払った保険料をリターンするよって仕組みなので、再評価をしないというのと、短期的な加入期間への2年以内の返金なので再評価という物価変動まで加味するほどでは無い、という風に考えられます。
迷ったら、そういう風に考えられるよな、と趣旨をイメージできると良いでしょう。
今後各国との社会保障協定が進めば、日本に於ける脱退一時金で返金するケースは減りそうですが、それでも極稀に起こる事案に対応できるように覚えましょう。
E 昭和 28 年 4 月 10 日生まれの女性は、65 歳から老齢基礎年金を受給し、老齢厚生年金は繰下げし 70 歳から受給する予定でいたが、配偶者が死亡したことにより、女性が 68 歳の時に遺族厚生年金の受給権を取得した。この場合、68 歳で老齢厚生年金の繰下げの申出をせずに、65 歳に老齢厚生年金を請求したものとして遡って老齢厚生年金を受給することができる。また、遺族厚生年金の受給権を取得してからは、その老齢厚生年金の年金額と遺族厚生年金の年金額を比較して遺族厚生年金の年金額が高ければ、その差額分を遺族厚生年金として受給することができる。
まずは老齢基礎年金と老齢厚生年金とを繰り下げを使って時差でもらおうとしていた奥様。そして、思いの外早く亡くなってしまったご主人、というのをイメージできますよね。
基礎年金側はもう受給しているので、あとは厚生年金の方での選択を考えるというところです。
女性の老齢厚生年金が少なく、ご主人亡き後の遺族厚生年金の方が高い(ご主人の老齢厚生年金の4分の3)ということもあって、悩ましい選択を迫られています。
選択肢としては
・そのまま自分の老齢厚生年金を3年繰り下げでもらう
・遺族厚生年金をもらう
・遺族厚生年金の3分の2+自分の老齢年金の半分を受給
女性側の老齢厚生年金が大きくないその中で、遺族厚生年金をもらうとして、そうすると65歳にさかのぼり、基本は老齢厚生年金をベースに遺族厚生年金の方が多かったらそちらは差額としてもらう、という事が出来るということです。
例として
妻の老齢厚生年金が100万円(年額以下同)
夫の老齢厚生年金が400万
よって妻の得られる遺族厚生年金が300万
↓
であれば、3年繰り下げ(25.2%の増額)の老齢厚生年金は割が悪い
↓
3分の2+半分よりも遺族厚生年金が一番割がいい
↓
となると遺族厚生年金一択となり、100万の老齢厚生年金(強制的に課税対象とするために優先支給)と200万の遺族厚生年金(差額)をもらうということになる。
コレは、経営者のご主人が厚生年金たんまり掛けてて(報酬多くて)お亡くなりになるとかだとありえます。
遺された奥さんにアドバイスしましょう。
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